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徒然回想録1

徒然回想録を始めることに致しました!

この度、「徒然回想録」として、私の経験した過去の出来事や時代を振り返り、その思い出を書いていきたいと思います。定期的に発表することはできませんがお読みいただければ幸いです。

子供時代に獣医師である父の後姿を見て感銘を受け、獣医師になってからは理論だけでは語れない動物の生命力、そして飼い主さまのペットへの思いを強く感じてきました。これまでの様々な経験を思い起こし、ちょっと時間があるときに書き記すことにしました。不定期の書き起こしになりますが、お時間のある時にお読みいただければ幸いです。

回想録1 うちの犬 ルナ(供血犬)
犬パルボウイルス感染症は血便と嘔吐、そして白血球減少症が見られ、当時はインターフェロンもなく死亡率の高い伝染病でした。現代は、ワクチンによる予防も確立されていてほとんど見られなくなっています。しかし、当時はワクチンもないため伝染病は頻繁に流行することがありました。

私が高校時代、保健所から保護した犬が伝染病の犬パルボウイルス感染症に感染しました。その犬はイングリッシュセッター、女の子で大変賢い犬でしたが、頂いてからすぐ下痢、血便が見られ、食欲もなく弱っていきました。獣医師である父が懸命に治療し、数週間でみごと回復していきました。これがうちの犬ルナです。この話では、伝染病から回復したルナが活躍します。

輸血用供血犬とは外科手術時やその他の貧血などの疾患に対する輸血療法の血液供給源として利用されます。現在は血液型を容易に判定できる動物の検査センターもありますし、人工の血漿輸液も可能な時代となりました。当時の昭和の時代は血液型判定すら難儀で、詳細な血液型検査は実施されていませんでした。動物の検査センターもありません。しかし、某獣医大学病院が犬の血液検査をしたところ、ルナがもっとも優れた血液型の1(-)型であることが判明しました(学会報告)。これは人の血液型のO型に相当する様な血液型です。その1(-)型の血液は、血液型検査を省略し緊急用の輸血として応用でき、生きた血液銀行として皆様の役に立てることがわかったのです。

当時、犬パルボウイルス感染症が流行していました。特効薬もない時代、なんとかして犬たちを伝染病から救ってあげたい。何か方法はないかと考えていたとき、閃きました。ルナはパルボウイルス感染症から回復し強いウイルス抗体を持っている。この血液を輸血してあげれば、受動免疫を得られ回復するかもしれない。そこで、飼い主さまに説明し輸血治療を行ったところ、パルボウイルスに感染した犬たちが、回復に向かったではありませんか。おかげで、何頭もの犬の命を救うことができました。
それから、ルナはパルボウイルス感染症だけでなく、多くの外科手術時の輸血、免疫介在性貧血などの治療に活躍してくれました。本当に感謝です。ルナ、お疲れ様でした。

20260501 MK(日付とイニシャルを末尾に)


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