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6「ゆかいな犬シバサブロウ、膵炎編~」

お知らせ 2023.01.16

シバサブロウは天真爛漫な、男の子のマルチーズである。
子犬の時に、プロフェッサー夫婦に出会い、一緒に生活するようになった。
プロフェッサー夫婦も犬を乗せてドライブするのが夢であった。
そして、待望のバイエルン社の新車が届いた。
待ちに待った待望のドライブだ。
愛車の助手席に愛犬のシバサブロウを乗せて、発車。
初めてのドライブで、プロフェッサー夫婦もシバサブロウもルンルン気分で、走り始めた、その時である。
いきなり、車酔いをしたのか、シバサブロウはえずき出し、高級バイエルン社シートに吐いてしまった。
待望の愛車が。。。。。。ただただ、悲惨なドライブとなり、帰宅を余儀なくされた。
そんな、楽しい家族が増えたお話です。シバサブロウは、犬の学校も首席で卒業し、成犬に成長するに従い、色々なことを学習できる、天才犬へと成長を遂げ、飼い主の目を盗んでは色々ないたずらをしては、飼い主を悩ませ、楽しませてくれた一家の愉快な家族であった。

そんなある日、奥様は夕飯に、ロースカツ1枚、ヒレカツ4枚(1枚150g~200g)を用意してプロフェッサーの帰りを待っていた。
しかし、その日はプロフェッサーの帰りが遅く、奥様は夕飯の用意と書き置きを残して、先に床につかれた。
プロフェッサーが帰宅し、食卓の夕飯を確認したところ、何処にもカツの姿は見られず、テーブルの下には何気ない顔でシバサブロウが寝ていた。
「えつ!!まさか?シバサブロウ、全部カツを食べちゃったの?」顔をつけると、確かにカツの美味しい臭いがぷんぷんする。
そして、2日後、Drミッチーの携帯に電話が鳴った。
電話は大学時代の先輩でもあり、恩師のプロフェッサーさんからだった。
先生、シバサブロウが、2日間食欲がなく、吐いているんです。ちょっと、診てください。
視診したところ、粘膜がわずかに薄黄色を帯びている様に感じた。
尿の色はと、プロフェッサーさんに確認したところ、普段よりも濃い黄色い尿をしているとのこ
とだった。

Drミッチーは、これは黄疸だなと頭がよぎった。
一刻も早く、血管のライン確保をして、点滴を開始しなければならなかった。
ライン確保がされ点滴が開始された。
同時に血液検査とエコー検査も行われた。
血液検査から黄疸数値や肝臓酵素の数値が異常に上昇していて、エコーでは腹水がたまっているのも確認できた。
毎日毎日、点滴と肝臓機能改善の注射が行われたが、シバサブロウは、一向に改善する兆候が見られなかった。
それどころか、反対に腹水も増え、後ろ足はむくみ、白いマルチーズが黄疸でほのかに柚子色に色づいてきた。
更に、血漿輸液、制吐剤、GI療法、漢方治療と様々な内科的治療が施された。
Drミッチーの無い知恵袋を絞り切り、プロフェッサーさんもDrミッチーも諦めの極致であった。
そんな徹夜続きのある朝である。治療の甲斐あってか、18病日目には食事を一口舐めた。
1日、1日と1口から3口へと食事が喉を通るようになった。
そして27病日には黄疸数値も基準値に戻り、1日量の食事をとれるようになったではないか。
これなら、家に帰れるとDrミッチーは心の中でつぶやいた。
その後、シバサブロウは家族のもとに無事退院することになった。

ここで、Drミッチーからのワンポイントアドバイス:
膵炎は、急性や慢性などのあり、症状はそれぞれ違います。また病態生理についてはあまりわかっていません。
急性膵炎では色々な原因で膵臓の自己消化が起こり、炎症が波及し、全身に障害が及びます。
高脂肪のような食事(トンカツを一気に5枚は避けましょう)や肥満などは膵炎の危険な因子です。
十分気を付けましょう。
他にも人間の食べ物は、犬や猫にとっては中毒となるものがありますので気を付けましょう。
ネギ類・ニンニク・らっきょ(ネギ類成分の入った汁や食材)、葡萄、キシリトール、チョコレートと様々なものが犬や猫にとっては危険なものがありますから、普段から与えないのはもちろんですが、ペットに食べられない環境づくりも大切です。


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